「ぱっと」見て「ぱっと」食べるの謎
「柳ぱっと」という鍋料理があるそうです。売れないお笑い芸人の名前みたいですが、岩手県の郷土料理です。
例によって強調は引用者。
こちらに写真があります(右下)。
ググってもほとんど情報がありませんが、鍋物辞典には説明があります。
蕎麦粉を練って薄く伸ばし、柳の葉の形に切るところからこの名が出来た。
「柳」のほうはわかりました。
「ぱっと」はなんでしょうか。どちらかというとこっちを知りたい。
かにぱっと定食(1,000円)
「かにぱっと」もあるのか。
「べこっこもち」は、草もちであんを丸く包んだもの、「くりばっと」は、はっとの中に栗を入れた汁物で、郷土料理、おやつとして伝えられている。
なるほど、「はっと」なのですか。
えーと「はっと」ってなんですか。
「はっと」とは県北地方の方言で「麺」のこと。
登米郡から岩手県南地方に伝わる郷土料理で,よく練った小麦粉を指で器用にうすく伸ばし,ちぎって投げ入れながら作ります。仕上げる副材料により「あずきはっと」「汁はっと」「油揚げはっと」…等と称しています。「とってなげ」や「すいとん」と呼ぶところもあります。
岩手県北部では麺状のもの、南部では細片状のもの、ということでしょうか。
「南部はっと鍋*1」はうどんを使っています。
一方、後者の説明を読む限りではあきらかに麺ではありません。
当地では蕎麦のことを「はっと」と呼んでいる。正確に言うと蕎麦や麦などの原料に関わらず麺状のものを「はっと」と呼んでいる。もちろんパスタ類は「はっと」とは呼ばない。[はっと」の語源には諸説ある。
「ご法度」説と「ほうとう」説があるそうです。今回は語源については追求しないので、「ほうとう」とのつながりについてはリンク先をどうぞ。
こういう「はっと」なんかはそれこそ「ほうとう」のようです。
「はっと定食」を食べました。「はっと」とは、きしめんのような幅広の麺を野菜と一緒に鍋で煮たものです。
県北(盛岡)での話です。
で、こういうふうに言われている「はっと」もあります。ワンタンの皮。
イメージ的にはギョーザの皮の「小」。もっと判りやすく言えば「ワンタンの皮」。
たぶんこれは県南の「はっと」のことなのでしょう。
なかには「はっととはひっつみのこと」という記述もありましたが、一方で
はっととはひっつみとは違い、切った物。
「ひっつみ」→手で千切る
「はっと」→包丁で切る
県北ではやはり麺のことみたいです。
まとめ:岩手の「はっと」とは
県北部では蕎麦・小麦粉で作った麺類
県南部では小麦粉などの練ったものを手で千切ったもの
今回はふつうにまとめてみました*2。