絵で見る『オタク・イズ・デッド』

「オタク is Dead」周辺を読んだ感想として。


かつていにしえの日本に

オタク族という突然変異の種族があらわれた。
彼らオタク族のあいだには共通の空気が必須のものとして存在していた。
それはたとえばSFガス、アニメガスなどといった、いくつかのフレーバーに分類されていた。
もちろん一般人の呼吸する大気には、これらのガスがほとんど含まれていなかった。そのため、オタク族の若者たちは共通ガスをガスコンテナ(SFマガジンアニメージュなど)などを通して摂取せざるをえなかった。



とはいえ、ガスコンテナの数も、ガスに依存するオタク族の数も限られていた。
彼らはどん欲に濃厚なガスを求めて、さまざまな試練を乗り越えた。家族や家計の犠牲をも厭わなかった。またそうせざるをえなかった。一般人の好む大気など薄すぎて、彼らには酸欠の元としかならないからだ。
もっとガスを! オタクは叫んだ。もっともっと濃いガスを!
元始オタクはガス中毒であった。


こうして黎明期は過ぎ去った。


現代日本において

ある時期から、オタクたちが呼吸していたガスがうっすらと大気のなかに混ざりはじめた。原因はネットの発達だといわれる。そのネットによって、オタクたちが呼吸し排出したごく薄いガスが大気に洩れ出していたのだという。
やがて一般人のなかに、脱臭脱色され、安全で水みたいなガス、いわばオタクフレーバーのガスを好んで摂取するものが現れるようになった。
オタクフレーバーガスはネットで探しさえすれば、いくらでも手に入った。文脈とかジャンルとか1000冊読めとかの濃い要素が排除されたガスは、摂取しやすいようにさらに水で薄めて注射できるようになっていた。それはオタクフレーバーなのにあんまりオタク臭くなかった。

このようにうっすらオタクフレーバー香る一般人が大量に現れた。
気がつけば、世の中はオタクフレーバーで満たされ、街にはオタフレ中毒者があふれていた。濃厚なガスは見つかり次第またたく間に脱臭脱色され、消費しやすいオタクフレーバーへと回収されていった。SFとかアニメといった特定のフレーバーはすべて一緒くたにオタクフレーバーとされた。もはやオタクの呼吸できる、あの濃いガスはどこにもなかった。


こうしてオタク族は滅び、オタク族の王は涙を流したという。


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