Youtubeは近いうちにアメリカ国内だけのファイルを扱うようになる

ある仕組みをとる場合、というお話。
長いので週末にでもどうぞ。


Youtubeはどうなるんだろう、というのは利用者なら一度は思ったことがあると思います。
Webでは「法律はそっちのほう(Youbube容認)に動いていくよ」的な話が多い気がします。
Winnyはダメでした。法律はWinnyのほうへは動かなかった。
なぜか。


なぜYoutubeWinnyより「よい」ように見えるのか

まずYoutubeWinnyの比較から。
Youtubeの、Winnyと異なる特徴は

  • 敷居が低い
    • Webからワンクリックで視聴できる(特別なソフトウェアが不要)
    • ウィルスなどの危険性が低い
    • ユーザーはファイルを「共有」するわけではなく、「享受」する立場なので、著作権侵害という意識を比較的もたない
  • 大量の画像をタグから検索できる利便性
  • 自分のブログなどで引用できる

ここらへんでしょうか。
どちらも共通して著作権的には黒いものを扱っていますが、Youtubeのほうはその

  • 敷居の低さ
  • 問題のあるものも公然と提供
  • ユーザーはデータをローカルに保持しない

あたりがユーザーに「著作権法違反のものを享受している」という感覚を薄くさせているようです*1。データを持ってる(コピーしてる)のはYoutubeで、自分はそこにあるから見たという感覚でいれば、著作権侵害という意識は自然と薄くなります。


Youtubeは生き残れるのか

「たとえ話」ではなく「たとえイラスト」をします。
DVDshopにモニタがあって、そこで無料で映画を見ることができるとします。店内にふつうに置いてあるので、その店が著作権料を払っているのかどうかはわからない。
それがこんな感じです(前回に好評だった原始なひとに出てもらいます)。
説明1
で、こっちには「あなたのDVDを入れると、ほかのひとのDVDをコピーもできますよ」などと書いてある黒い機械が、野良状態で置いてある。
説明2
最初のほうがYoutube、あとのほうがWinnyです。
さて、どちらも著作権法的に問題があるので、著作権者はそれなりの代価を求めます。
そうして、最初のほうはこういうふうになりました。
説明3
CDレンタル、カラオケなどは基本的にこういった仕組みです。Winnyはこういった仕組みに馴染まない(著作権料をとれない、違法なものを削除できない)ので、違法となります。
これはどういうことかというと、お金をとれる仕組みにそぐわないものは排除される、ということです。YoutubeだろうとWinnyだろうと。とりあえずユーザーは関係ありません。


Youtubeが生き残るためには

著作権ホルダーの納得する仕組み」を作らなければなりません。
彼らが違法な状態から逃れ、法律的に排除されるのを避けるためには

  1. 違法なものを完全に排除する(事前審査制などの導入)
  2. 著作権者が納得できる仕組み、つまり見返りを提供する仕組みを作る

このどちらかしかないのです。
法律的に「著作権ホルダーが譲歩して、3分以下の映像は著作権の保護を解除する」などという特例ができるかもしれませんが、映像作品のコストのかかり方*2を考えるとあまり実現しそうにありません*3
Youtubeの仕組みからすると1は採りにくいので、2を考えなければなりません。
2の場合、

  • 広告料などから著作権料を支払う(ネットラジオなど)
  • 著作権を管理する企業などからデータを提供してもらい、ユーザーから料金を受けとる(iTunesなど)
  • 著作権料を支払わないかわりに、著作権ホルダーの要請するCMを入れる

あたりがあります。
最初のふたつは既存の仕組みを利用するもので、無難ではありますが、それぞれに問題があります。
で。
最後のものは

  • 映像内容に関係なく自動的にCMを入れる処理をする
    • カット部分などを自動で判別してそこにCMを入れる
    • 映像の尺が長くなればなるほど、CMの時間も長くする

という方法で可能です。ただ「(たとえばアメリカ国内での)映像関連著作権を一括して管理する団体」がおそらく必要となります。この団体がどういったCMを入れるかの希望・素材を出します。この仕組みの場合、お金の流れがないのでそのあたりのややこしさを回避することが可能でしょう。そしてYoutubeのあらゆる映像にCMが入ります。


とりあえずアメリカ国内で対応する

問題は世界中からアップロードされる映像の

ということですが、Youtubeとしては(一時的にしろ)メンドくさいのでアメリカ以外からはアップロード不可ということにする、というのはありそうです。そうすれば、前項で書いた、三番目の方法での問題クリアが可能となります。


で、ここでようやくタイトルの
Youtubeは近いうちにアメリカ国内だけのファイルを扱うようになる」
に戻るわけです。これはどういうことかというと、いずれは

もできるんじゃないか、ということですね。著作権を管理する団体がちゃんと対応すれば、という条件つきですが。


[長い][使い回し]


*1:データをローカルに保存してるケースはこの場合除外。

*2:1分あたり数百万円、などの作品もある。

*3:そしておそらくそういった保護解除の見返りに、より規制を厳しくする、というのが日本でありがちな法律改正です。