成熟したサイトに生じる「コミュニティのちら見せ」
コメント欄というのはコミュニティに通じるものだと考えます。
- あまり見えない領域
- 匿名掲示板
- ソーシャルブックマークのコメント欄
- 見える領域
- ブログのコメント欄
- なんらかのid認証を経たコメント欄
- 承認制コメント欄
- コメント欄なし
「承認制のコメント欄」は炎上の可能性が少ないのですが、コメントの応答内容によっては炎上の可能性があります*1。つまり「コメント欄なし」よりはわずかに安全度が低い。
図にするとこんな感じ。
さて図にするとわかりやすいのですが、ブラックホールに近いほど「発言がしやすい場所」ということがわかると思います。それは「コミュニティが生じやすい」ということでもありますが、匿名掲示板までいってしまうと暗すぎて顔が見えないので、逆にコミュニティが生じても維持されにくいという側面も。
またはてブなどが「2ちゃんねる化」などと言われるのも、この「発言しやすさ」に拠るところが大きいと思われます*2。
これがどういうことかというと、コミュニティ指向のブログはブラックホールに近いところに位置しているということで、なんであれコミュニティには管理(コスト)が必要だということです。
コミュニティからの離脱と再帰
で、一度コミュニティが出来上がってしまうと今度はそれを(自サイトで)あまり目立たない方向へと持っていく傾向があるわけですが、完全に隠蔽してしまうとそれはコミュニティからの離脱とも思われるので、そうせずに「コミュニティのチラ見せ」をする。オフ会の報告とかですね。
さらにはその報告もだんだん内容が不明なものになってきたりする。このへんはいつか来た道、というかテキストサイトが辿った道と被るところがあります。
これらの動きはつまり、自分のサイトがコミュニティの沼にずっぼりはまっているのを少しずつ引き揚げていこう、という擬似的な脱コミュニティ操作を行っているわけです。脱コミュニティ操作には
- 管理コストを下げる
- あるコミュニティ「だけ」に属するのを避ける
などの意味があるわけですが、それはつまりブラックホールから遠ざかる方向に向かう姿勢なので、ほっとくと勝手に疎外感を感じて圏外へと飛びだしていってしまったりします。なので、ふつうはたまに揺れ戻しが起きて、コミュニティへと再接近します。
このあたりの「コミュニティのちら見せ」は、サイトデザインでサイドバーに表示する「最近のコメント」をどのあたりに置くのか、というあたりにも表れていそうです。はてなの場合であれば「アンテナ」とか。
よく見ているサイトがデザインを変更した場合、このあたりに注意してを見てみるのも面白いかもしれません。