Webはモノ作りにいかに関わっていけるのか Part2(1は省略)

(どこからか)(承前)
【参考図】

(中略)
こういったことからわかるのは、世の中には次のような作り手・作品があるということです。

  • 「そこそこのクオリティでOK(クオリティも求めるが、投入できるコストには制限がある)」「あくまで趣味なので気が向いたときに作れればいい」といった作り手・作品群 →A群
  • 「クオリティを追求するためにはコストがかかる」「作品作りにかなりのエネルギーを投入するので、それで食べていきたい」「必要なコスト・手間を肩代わりする専門家も必要」といったいわゆるプロフェッショナル指向な作り手・作品群 →B群



かつてはこれらのなかから作り手・作品がすくい上げられ、マス向けの商品に仕上げられることで、ごく一部分に日の光が当たるようになっていました(↓海面から出てる部分)。

プロデューサーの手やオーディションやナントカ賞などさまざまなルートを経て。
間口狭い……。

そしてついにネット社会の到来。ネットによって光が!
かつては水面下に埋もれていたところにも光が
海面が下がった!!


で、こんな感じに。


これからの作り手・モノ作りのスタイル

ネットによって、A群・B群のモノ作りにどういう影響があるのか。

  • A群はあんまりお金とか関係なく、相変わらずのんびりモノ作り
  • 高コスト高クオリティを必要とするプロ指向のB群は日の光の下、さらに激しい競争にさらされる

B群はとくに競争が厳しくなりそうですが、まぁこのへんは以前からよく言われてることです。
で、日の光にさらされてもA群にはいいことがないように思えるかもしれませんが、最大の恩恵はやはり最初の図にあるような「評価と支持」でしょう。そしてネットではそれが簡単に得られる仕組みができつつある。


そうするとネットの意味ってわりと「ダイキーダイキー、*1金とかマスメディアとかどうでもええよ、評価して支持してくれるひとがおれば」という方向に作り手を押しやるところにありそうです。今までの「マスに認められるか、そうでなければダメか」の二択ではなくなっていく。受け手側からすれば「これはそんなにクオリティ高くないし、あんま一般ウケしなさそうだけど、おれはちょっといいと思うよ」という支持をしやすくなる。
この

  • 作り手:金とかマスメディアとか気にしないよ、評価して支持してくれるひとがいれば
  • 受け手:おれはちょっといいと思うよ

というやりとりの仕組みが簡単に成立する部分こそ、ネットのもっとも注目されるべきポイントではないか。

そしてそれこそが気軽にモノ作りをするひとを増やし、より豊かで幅広い作り手の層を創り出すことになるのではないか。

多くの作り手にとっては「経済的な支援よりも作品への支持のほうが嬉しい」場合がけっこうある

なんだかネットを支持するひとには「マス(市場)に認めらるか、そうでなければダメか」の二択から「いかにして個人の作り手が経済的収入を得られるか」へとシフトするような考えでいる(というかそこがスバラシイと言ってる)ひともいるようだけど*2、おれはそれよりも「だれかに支持されるか、否か」の二択へとシフトしていくような気がするのです。一般に経済的な仕組みが入ると評価がややこしくなる*3から、たとえばはてなスターとかブクマみたいなもののほうが評価の仕組みとしては幅が広くて普及しやすい、と考える。


これは「作り手にとっては経済的な支持より、ふつうの声援とか支持のほうがいい効果をもたらす」とかいうわけではなく、多くの作り手にとっては「経済的な支援よりも作品への支持のほうが嬉しい」場合がけっこうあるということ。
もちろん経済的な支援がやはり欲しい(クオリティの向上のためには必須、とか)という作り手もいるだろうし(あと名誉とか)、そういうひとは(すくなくともここしばらくは)従来通り……ということになる。しかもネットのおかげで作品発表の敷居ががくっと下がったためにライバルが急激に増加し、逆にマスメディアへのステップアップは困難になったという面はあるかもしれないので、必ずしも「ネットバンジャーイ」な話ではないでしょう。



もちろん、それはマスメディアにステップアップしてそれからさらに次のステップへ、という作り手も同様なわけで、今まで以上に絶壁を這い上がる努力と競争が待ち受けているわけですが……。

余談(はてなスターについて)

図を描いてて思ったのですが、はてなには

のように、「(なにかを)支持するための仕組み」が多いな、ということ。
「つながり」を強調されがちだけど、こういった支持や共感のための仕組みがしっかりある「はてな」はこれからわりと「モノを作る人」に居心地のいい場所になっていくのかもしれないなぁとか思った。
そしてなんだかんだ言って、はてなスター定着した感があるなぁ、とか。
(まぁ投げ銭のインターフェースはもうすこしなんとかならんのかなとかも思うけど)

補足

すごく長くなったのでPart1は省略しました。
[えー][そしてPart3へ……]

*1:耳について離れません……。→2007-10-12

*2:おれの読み違いかもしれないけど。

*3:ほかのモノの価値と比較されやすくなるし「ルサンチマン参上!」にもなりやすい。